基本的に起きる可能性はない

わきが治療を行っているクリニックのホームページを見ると、「よくある質問」というコーナーを設けているサイトも少なくありません。
その質問の中でしばしば見られるのが「術後臭はしますか?」というものです。
わきが治療を適切に行えば、術後臭の起きることはまず考えにくいです。
わきが治療の基本は臭いの原因である汗腺の一種のアポクリン腺を除去もしくは破壊する手法です。
臭いの原因そのものをしっかり治療できていれば、術後臭の発する危険性はまずないわけです。
しかし稀ですが「手術後に気になる臭いがする」「手術前とは別の臭いがする」と訴える患者もいるのも事実です。

前回の施術が不完全

わきが治療の後に術後臭がするのはいくつか原因が考えられます。
まずは前回の治療が不完全に終わってしまったからです。
前回のわきが治療でアポクリン腺の除去が不完全だった場合、わきが臭が残ってしまう可能性があります。
実はアポクリン腺をどこまで除去するかは難しい問題です。
やりすぎてしまうと皮膚にダメージを負わせ、合併症を引き起こす可能性があります。
しかし除去が少ないと、わきが臭の残ってしまうこともあり得ます。

自己臭症の可能性も

実際には臭いがしない、臭いはしても気にするレベルではないにもかかわらず「自分から臭っている」と思い込んでいるのが術後臭の原因という可能性もあります。
このような臭いがしていないのにしているかのような錯覚を覚える現象を自己臭症といいます。
これは実際には臭っておらず、強迫観念の一種ですからわきが治療のクリニックで治すことは難しいです。
診察の時に実際に臭ってもらって、臭うかどうか客観的に診断してもらったほうがいいでしょう。

別の部位の臭いが原因

わきが治療の後で「今までとは違う臭いがするようになった」と訴える患者もいます。
これはもしかするとわきの下以外の体臭が、わきがのなくなったことで目立ったことが原因かもしれません。
わきがの原因となるアポクリン腺はわきの下だけに存在するものではありません。
外耳道や胸、股間にも存在しています。
わきが臭が減少すると、これらの部位から発する臭いが相対的に強くなってしまうこともあり得ます。
ただしほかの部位にあるアポクリン腺を手術などで除去するのは難しいです。
まずは実際に脇の下から臭いがしているか、診断を受けましょう。
臭う場合には再手術など、治療するかどうか医者と相談しながら決めましょう。